「これはなかなか有効な一手になる」。競合GMS幹部が評価したのは、イオンの100円ショップ「キャンドゥ」の買収だ。10月14日、イオンは株式公開買い付け(TOB)でキャンドゥを連結子会社化すると発表。キャンドゥの筆頭株主である社長の城戸一弥氏とその実母が保有する株式19.68%は1株2700円でのTOBが承認されており、株主2位の城戸家の資産管理会社ケイコーポレーションの保有する13.82%は1株2300円での相対取引が決まっている。これらを含めイオンは上限51%まで買い付ける計画で、買収金額は約210億円を見込んでいる。

 キャンドゥは100円ショップ業界3位。前期末の業績は売上高730億円、営業利益16億円、9月末現在国内で1155店を展開している。今回の買収は今年5月、イオンが城戸家およびケイコーポレーションの所有するキャンドゥ株式譲渡への入札を打診されたことがきっかけだ。背景にはキャンドゥを悩ませる二つの問題がある。一つは出店競争の激化、もう一つが原材料費の高騰だ。中でも出店面では近年、商業施設への出店競争が激化しており、集客力のある商業施設では入居に当たって入札が行われることが一般的だ。これにより「収益が見込める条件での新規出店の機会獲得が年々厳しさを増していた」(キャンドゥ)という。

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