OKI(沖電気工業)は9月10日、情報機器(プリンター)事業部の戦略概要をオンラインで発表した。OKIグループは今年4月1日付で組織を再編。OKIグループ子会社でプリンター事業を扱うOKIデータは、OKIのコンポーネント&プラットフォーム事業本部に統合され、情報機器事業部となった。「中期経営計画2022」では、OKIとの早期融合(他事業とのシナジー)、事業ポートフォリオの再構築、注力領域へのチャレンジ(勝てる商品の拡販)の三つを掲げる。
オフィス向けプリンター市場は減少してきたが、新型コロナの発生にともない在宅勤務が増えて販売台数が前年比16%減と縮小が加速。ポストコロナも縮小する見通しだ。そこでOKIはOEMビジネスと産業機器組み込み用印刷モジュール提供の強化を図る。4月に就任したOKI情報機器事業部の井上崇事業部長は、「DX化のモデルでは、自動化機器・システムにプリンターのベースエンジンを提供するモジュールビジネスに注力。〝特長のある〟勝てる商品の拡販を図ります。地域では国内とアジアで強化していきます」と発表会見で述べた。
具体的な対象では製造業と流通小売業の現場から経営まで幅広く対応。生産ライン設備への組み込みやシステムと連携し、QRコードやラベルなど印刷にかかわる現場の生産性の向上を図る。特長のある勝てる商品として一つ目のオンデマンドカラーLEDラベルプリンター「Pro1050」「Pro1040」は、印刷装置によるDX化を推進。二つ目のA4カラーLEDプリンター「C650dnw」は、モジュール組み込みを提案。三つ目の世界最小幅狭カラーLEDプリンター「Pro330S」は、その両方に対応できることを提案する。
例えば、ラベルによるDX化では、オンデマンドカラーLEDラベルプリンターで生産管理システムと連携し、問い合わせラベルや工場管理ラベル、QRコードで生産性向上と生産コスト削減につなげる。
また国内の販売戦略では、「流通・小売」「医療(医療機関、薬局)」「文教(学校、研究室)」の三つの注力業種に絞り込み、業種別に提案。流通・小売では、POS・特殊用印刷などの要望に対応。B8サイズから対応する小型用紙印刷、ラミネート加工がいらない耐水紙、のし印刷への対応のほか、サイズでは筐体のコンパクト設計。全国の営業体制のセルフメンテナンス対応力も提案する。「小売業の現場で使い勝手がよい小型化、ユーザビリティー、耐久性の優れた点を訴求し、小売業の現場の困りごとを解決したい」と井上事業部長は意気込みを語った。