発売50年周年を迎えさらに2桁伸長が続く
サラヤが「第1回ジャパンSDGs アワード」受賞に輝いた。サラヤは、このSDGsという言葉が一般社会に浸透する前の1952年の創業当時から、「衛生」「環境」「健康」をテーマに、社会問題と事業を連携することを基本とし、天然素材を用いた人と環境に優しい商品作りを徹底してきた。その中でも代表的な商品が今年発売50周年を迎える植物系の食器用洗剤「ヤシノミ洗剤」だ。
山田哲取締役コンシューマー事業本部本部長は、「コロナ下で食器洗いの頻度やアルコール消毒の回数が急激に増え、手肌の悩みを抱える消費者が増加。この手肌の悩みを解決する食器用洗剤として『ヤシノミ洗剤』が改めて注目された。その結果、昨年3月頃から若年層を中心に新規ユーザーが増え、詰替用をリピート購入いただき2桁伸長が続いている」と支持拡大を力強く語る。社会貢献活動を結びつけた商品群はコロナ下で新たなユーザーを獲得し、同社の売り上げも2桁増で成長している。
71年の発売時、石油系洗剤による河川や海の汚染が問題となる中で、サラヤは業界に先駆け環境負荷の低いヤシの油を使った植物系洗剤を業務用として発売。ヤシの実由来の洗浄成分を使用し、洗浄に不要なものは入れずに無香料・無着色。手肌への優しさと高い生分解性にこだわった。そして業務用利用者の間で、商品の良さが支持を集め家庭用にも販売。発売から50年、手と環境に優しいコンセプトを変えずに商品を提供してきた。
ヤシノミ洗剤が20代、30代を中心ユーザーに支持を集めるもう1つの大きな理由が社会貢献活動への取り組みだ。03年に学校では公害対策教育から環境教育に学習指導要領が転換し、小学生からSDGsを基礎から学んでいる。この世代が子育て期に入り始め、子供の未来を考えて環境に対してよりよい商品を選ぶ親が徐々に増えている。
ヤシノミ洗剤の原料の1つであるパーム油は、その生産地で環境問題を起こしていた。パーム油のほとんどは食用利用で、ヤシノミ洗剤が使うのはごくわずかだが、サラヤは07年からRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)に日本で初めて参加。同時に生産地のマレーシア・ボルネオ島の環境保護に売り上げの1%を還元する活動を15年間以上続けている。
これらの持続可能な活動に合わせて6月の環境月間では、100%リサイクルボトルと詰替用をセットにしたヤシノミ洗剤の50周年デザインの商品を数量限定で発売。FSC森林認証マークを付けたパッケージで小売店と連動し、環境を意識する売り場作りを推進。消費者の環境意識を高める商品や情報発信に努める。