昨年に続いて「疲れのV字回復へ。」をキーメッセージに、アリナミン製薬はアリナミンドリンクの販売強化に乗り出した。今年4月1日に武田コンシューマーヘルスケアからアリナミン製薬に社名を変更し、社名そのままにアリナミンの販促キャンペーンと店頭販売を強く打ち出す政策だ。

 アリナミンは1954年に武田薬品工業が開発した糖質を効率よくエネルギーに変えることを助ける「フルスルチアミン」(ビタミンB1誘導体)を配合したビタミン剤で、疲れに効く錠剤から始まった。87年にはこのフルスルチアミンを配合した初のドリンク剤「アリナミンV」、12年に糖類ゼロの「アリナミンゼロ7」など相次いで発売。19年には初の口栓付きアルミパウチドリンク「アリナミンメディカルバランス」を追加し、いずれも疲労に関する効能を持った指定医薬部外品としてドリンク剤のラインアップも拡充してきた。

 アリナミンドリンクの広告では、抗疲労成分フルスルチアミンを軸に疲労の回復・予防をアピール。テレビCMでは俳優の松山ケンイチを引き続き起用し、繰り返される「疲労連鎖」を問題提起し、疲れに根本から対処する必要があることを訴求。同時にウェブ広告ではユーチューブなどで6種類の動画も配信。リモート疲れなどの新たな疲れへの対処も訴える。

 店頭販売にも力を入れている。昨年はアニメ「鬼滅の刃」とコラボレーションしたキャンペーン企画を実施。店頭で鬼滅の刃と連動した売り場作りを展開。「小売店様からも『売り場が活性化され売り上げが拡大した』と非常に好評でした」(マーケティング部アリナミンドリンクグループの太田淳士氏)。その結果、新規ユーザーを獲得し、売り上げとドリンク剤の市場内シェアの拡大につながった。今年は人気が高まっているアニメ「呪術廻戦」とコラボレーションしたキャンペーンを予定。店頭でも呪術廻戦と連動した売り場作りでドリンク剤市場の活性化につなげる。マーケティング部の太田氏は、「好評だった昨年のキャンペーン以上の規模で店頭支援策を展開。テレビCMも含めた販促強化による新規ユーザー獲得で、売り場の活性化に努めます」と力を込めた。