引き始めの風邪の症状への処方を追求した風邪薬「ベンザブロックプレミアム」3商品(指定第2類医薬品)が9月にアリナミン製薬から新シリーズとして7年ぶりに新登場した。「鼻」からくる人には黄色の「同 Sプレミアム」、「のど」からくる人には銀の「同 Lプレミアム」、「熱」からくる人は青の「同 IPプレミアム」と色別に識別ができ、引き始めの風邪のタイプに対応して優れた効果を発揮する。「風邪は進行するほど症状が重くなることから、『鼻、のど、熱』への早めの症状別対処で体力の消耗を防ぎ、効率よく風邪を治すことが大事です」(マーケティング部の上西宏一ベンザグループマネジャー)。

 「ベンザブロック」シリーズは1999年に業界でいち早くタイプ別の訴求を始め、13年には機能を高めた「ベンザブロックプラス」を追加販売し、症状タイプ別風邪薬の代名詞ともなるブランドに成長した。

 それに伴い一般大衆薬の風邪薬市場は直近5年、年平均伸長率が2.4%増と拡大している。中でも「ベンザブロック」を中心とした症状別のタイプ別パーソナル風邪薬市場は5.2%増と全体を牽引し、それがファミリー向け風邪薬の落ち込みをカバーしている状況だ。主要ターゲットの生産年齢人口は減少している中、19年は1019億円規模まで市場が拡大している(インテージSDI総合感冒薬市場15年4月~20年3月)。今回、7年ぶりにさらに処方を強化した「ベンザブロックプレミアム」を追加販売することで、市場の一層の活性化を図る。特に「Lプレミアム」ではイブプロフェンを最大量の600mg(1日量)配合し、のどの痛み・発熱などを緩和する機能を強化した。

 上西グループマネジャーは、「今年はコロナの影響で店内の滞在時間や接客対応が短くなったことで症状別で分かりやすい『ベンザブロックプレミアム』へのニーズがより高まっています。当社でもメッセージを店内販促物や広告で強く打ち出していきます」と力強く語る。

 その販促では、引き始めの症状への処方を追求した「生まれ変わった新ベンザプロックプレミアム」であることを強調。9月から全面刷新したブランドサイトに合わせてテレビCMに加え、6秒のウェブ動画を発信。そのブランドメッセンジャーは女優の綾瀬はるかを継続起用するとともに、俳優の北村匠海、お笑いコンビ「ミルクボーイ」、女優の堀田真由を新たに起用。店頭では綾瀬はるかを使ったトップボードや各種POPを用意し、「ベンザプロックプレミアム」を強く訴求。同社では機能を高めて「症状別」をより強く押し出し差別化を図っていく構えだ。

左から「ベンザブロック Sプレミアム」「同 Lプレミアム」「同 IPプレミアム」