ウェブ加入の仕組みやテレビCMが新規加入で功を奏する
「これまで課題だった30~40代の若年層の取り込みが進んだ」とコープ九州事業連合(コープ九州)の江藤淳一代表理事理事長は破顔する。コープ九州の3~8月の供給高は、前期比122.7%となり、利用人数も同109.8%、利用点数は同121.4%で着地した。上期に利用が増加した主な要因は新規加入の急激な伸長だ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で対面による組合員の勧誘活動を中止した中、ウェブ加入(4~8月)は1万909件、前年同期比4倍と大幅に増加。休眠会員の利用復活も後押しした。江藤理事長は、「この数年間、ウェブ上で加入手続きや商品を注文できる仕組みを構築したり、テレビCM『スマホでコープ』の放映で認知度向上に取り組んできたことが功を奏した」と分析している。
だが、新型コロナによる需要の急拡大という想定外の事態は、計画欠品を招いた。とくに4月5週~6月4週は大きな影響を受け、品目数で616万点、金額で18億6000万円相当の商品が配達できなくなってしまったのだ。物流センターでは朝4、5時までセット作業を行っても処理しきれないことから、カタログのページ数削減やチラシの配布中止などで対応したが、注文した6点のうち届いたのは1点のみという事例も発生している。江藤理事長は、「カタログに掲載した商品はなんとしてでも配送するという方針で取り組んできたが、残念な思いをさせてしまった」と悔しがる。