消費増税と台風、競争激化で店舗事業が苦戦
「もともと競合状況が厳しかったところに、5月の10連休、7月の長雨・低温、10月以降の消費税増税、台風19号と、様々な要因が重なり店舗事業の損益が悪化した」。大越健治専務理事がこう説明するように、みやぎ生協の2020年3月期決算は、売上高に当たる供給高は前期比0.3%の微増となったものの、経常利益にあたる経常剰余は同72%減と大幅に落ち込んだ。
消費増税では、キャッシュレス決済のポイント還元や軽減税率の効果も一定程度あったが、それ以上に台風や競合の影響が響いた。特にここ数年厳しくなっているのが競合の影響だ。仙台市内とその周辺は、震災以降東北で唯一人口の伸びが期待されることから、出店競争が激しい。ウジエスーパーをはじめとする地元企業に加えナショナルチェーンのイオンや西友、さらに福島からはヨークベニマル、山形からはヤマザワと、県外からの進出も増えている。その結果、「かつてはライバル店の至近距離への出店はお互い控えていたが、今はライバルの1km圏内への出店も増えている」(大越専務理事)という。さらに、ウエルシア、ツルハ、薬王堂、さらにはクスリのアオキといった食品強化型のドラッグストアも出店に積極的だ。その影響はスーパーほど顕著ではないが、「既存店の新規客数が増えていない理由には、ドラッグやコンビニなど他業態に流れていることもあるのではないか」と大越専務は危機感を募らせる。