新型コロナウイルス拡大の防止を期待できる
スマートフォンのビデオ通話などを活用し、医師が患者の状態を診断するオンライン診療が、新型コロナウイルス(新型コロナ)の感染拡大を受け、徐々に広がりを見せている。糖尿病などの基礎疾患を抱える患者が新型コロナに感染すると重症化する可能性が高く、病院に行くこと自体が危険を伴うためだ。遠隔地にいる医師と患者をつなぐオンライン診療を利用すれば、感染者と他の患者が病院の待合室などで居合わせることがなくなり、感染するリスクを抑えることができる。また感染者でも軽症であれば、自宅で待機しながら医師の診察を受けることで療養に専念し重症化を防止できるメリットなどがある。
オンライン診療は1990年代まで「無診療の治療行為を認めない」と定める医師法20条に抵触する恐れがあるため認められていなかった。転機となったのは97年12月に厚生省(当時)が出した通達で、「診療は、医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本」としながらも、遠隔診療は対面診療を補完するものとして位置づけられたのだ。離島やへき地に住む患者限定だがオンライン診療は医師法に違反するものではないと示された。