くすりの福太郎は、千葉県、東京都、埼玉県を中心に展開するドラッグストアで、都内で看板を目にすることも多く、個人的には馴染みの深い企業だ。看板はくすりの福太郎だが、同社がツルハのグループ会社であり、小川社長が同グループのM&A担当であることももちろん承知。お会いすれば期待に違わずざっくばらんな人柄。それでいて自社の競争環境の冷静な分析は、提携交渉の適任者を充分窺わせた。(インタビュアー・栗田晴彦)
ツルハの選択は間違っていなかった
――新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。業績に影響は出ていますか。
小川 変な話ですけど、現時点(2月6日現在)ではプラスです。マスクや消毒剤が飛ぶように売れていますから。ただモノが入りづらくなってきているので、感染が長引けばマイナスになるのは目に見えている。化粧品もスキンタッチはできないとか。そうするとカウンセリングに影響が出てくるし、そもそも中国人客は激減しているわけで、インバウンドの比率が高い企業さんは相当な打撃を被ることになるんじゃないでしょうか。
――インバウンドに限らず、日本人も外出を控えようとするでしょうし。
小川 銀座(東京)辺りももう人が少ないですよね。昨日は札幌で会議があったので、前日からホテルに泊まっていたんですが、雪まつりでいつもは予約が取れないホテルが今年は2割ほど空きがあると。すでに経済損失は色んなところに出始めていて、これで中国の経済成長率が大きく落ち込むようなことになれば、本当に恐いことになりますよね。