調理ロボット導入で品質安定化と離職率低下を実現
たこ焼きとソフトクリーム、二つの調理ロボットが昨年10月に導入されたセブン&アイ・フードシステムズ(FS)のファストフード店、ポッポイトーヨーカドー幕張店(千葉県千葉市)が着実に成果を上げている。調理ロボット導入により、まずたこ焼きやソフトクリームの作り手の省力化。そしてお客の注文にあわせたたこ焼きの安定提供。安全面では作業中に高温で火傷を負うことがない。さらにベテラン、新人と人が替わることで品質にばらつきが出ることもなくなった。また労働環境が改善され、離職率の低下にもつながっている。
セブン&アイFSの省人化の取り組みは、2016年にファミリーレストラン「デニーズ」でドリンクバーを導入したことから本格化した。競合に比べてドリンクバーの導入が遅れたが、その理由について、大塚祥子執行役員経営企画室長兼広報総括マネジャーは、「デニーズがフルサービスを重視してきたから。お客様にドリンクバーに足を運んでいただくことは負担を強いると考えた」と説明する。だが、お客からは「ファミレス=ドリンクバー」というイメージが浸透してきたことで、「デニーズにはなぜドリンクバーがないのか」との疑問が寄せられるようになり、デニーズ内部でも、おしゃべりに夢中になっているお客や仕事に集中しているお客に声をかけて飲み物を勧めることが良くないという考え方が主流になったことを受け、ドリンクバー導入に踏み切った。これは省人化に大きな効果を上げた。