食べることの大切さ、コミュニティーの重要性を改めて痛感させられた。全国食支援活動協力会の出発点は「老人給食協力会ふきのとう」。高齢者の会食から始まった活動は、高齢者から子どもまで多世代を対象に、食を通じたコミュニティーのネットワークづくりへと広がった。孤食の子どもに胸を打たれ、その子どもらに手を差し伸べる意義の大切さにまた胸を打たれた。(インタビュアー・栗田晴彦)

子ども食堂は自主財源の自主事業

 ――子どもに食事を無料か低額で提供する「子ども食堂」が全国に広がっています。現在何カ所ぐらいあるのですか。

 平野 中間支援団体である「むすびえ」の調査では、今年6月末で3700カ所を超えたようです。昨年比では約1400カ所の増加です。利用者数は正確には分からないんですが、アンケート調査では1カ所で大体10人前後の子どもが利用していて、延べではこの1年で約160万人が利用したと推計されています。

 ――社会の関心も高まる一方の子ども食堂は、そもそもいつ頃から始まったのですか。

 平野 子どもの食支援活動は地域食堂の中でやったり、それまでも色々あったんです。ただ子ども食堂という名前での活動は、東京都大田区で「気まぐれ800屋だんだん」をやっておられる近藤博子さんが2012年に始めたのが最初だと言われています。きっかけは小学校の先生に、家庭の事情でバナナしか食べていない子どもがいるという話を聞いたこと。そういう子どものためにできることは何かと模索する中で、子どもの居場所になるような食堂をやろうと思われたんですね。

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