エスビー食品は、止まらない物価高や消費者のライフスタイルの変化、価値観の多様化に対応した秋冬商品を提案する。8月から9月にかけ、新商品16アイテム、リフレッシュ品41アイテムの計57アイテムを投入。発売後の1年間の売り上げ目標(小売りベース)は約136億円を目指す。
山梨・富士吉田市のご当地薬味「すりだね」に着目
主力の香辛料カテゴリーでは、ねりスパイスの新商品「すりだね(ごま唐辛子)」を発売する。「すりだね」とは、唐辛子を使った山梨県富士吉田市のご当地薬味で、焙煎唐辛子とごまをベースに柚子や山椒、味噌などを「すってタネのようにまとめた」もの。ご当地グルメの「吉田のうどん」や「ほうとう」にも欠かせない調味料だ。昨今、アンテナショップや小売店でのご当地フェアなどを通じ、日本の伝統的な食文化への関心が広がっている背景や、味覚トレンドとして薬味に辛さや刺激を求めるニーズが高まっていることから、今回商品化した。ご当地薬味である「すりだね」をチューブ入り香辛料として発売することでカテゴリーの新たな需要創造を狙う。
新商品の味わいは、乾燥と焙煎の2種類の唐辛子をブレンドした鮮烈な辛みが特徴で、濃厚でコクのあるごま油を合わせ、山椒・柚子の香りと味噌の旨みでアクセントを効かせている。うどんや鍋料理、冷奴、焼き鳥などの和風メニューを中心に、ラーメンや餃子、焼肉などにも相性よく使用できる。
パッケージには、富士吉田市の食文化を発信する「一般財団法人ふじよしだ観光振興サービス」のお墨付きであることを表示した上で、店頭では鍋やラーメンでの食べ方を積極的に提案し、トライアルニーズを喚起する。エスビー食品はかつて九州のご当地薬味「柚子こしょう」をチューブ化して発売し、その認知度を全国区へ押し上げた実績がある。現在も市場の拡大が続く「柚子こしょう」と一緒に展開することで、ご当地薬味としての認知を高め、その魅力を全国に広げていきたい考えだ。

調理時間10分の本格タコライスを提案
ルウカレー・シチューなどの即席カテゴリーでは、新たにパウダールウ「タコライス」をラインアップする。手頃な価格で調理しやすいひき肉は、家庭で買い置きされることが多い食材だ。そのひき肉を使用するタコライスは潜在的な調理ニーズがあるものの、味付けの難しさがこれまで消費者のハードルとなっていた。
新商品は本格的なタコライスが調理時間10分で手軽に楽しめるのがポイントだ。使用する材料はひき肉と玉ねぎ、トマト(カットトマト缶でも可)のみ。独自のパウダールウ製法により、パプリカ、クミン、オレガノ、チリペッパーの香りを生かしながら、辛さは控えめにし、チーズをほどよく効かせることで、大人から子どもまで楽しめるコクのあるおいしさに仕上げた。パウダールウは調理時にさっと溶けやすく、油脂が少ないので洗い物も簡単に済ませることができる。また、2皿分に小分けになっているため、食べる分だけ調理が可能で今の時代にマッチしている。
販促面では、生鮮売り場でのひき肉との関連販売や、トマト缶との同時展開を提案予定だ。また、タコスがトレンドメニューとなってきていることから、同時に発売するタコス用ソース「TACOソース」と併せた食べ方を訴求し、家族で楽しめるメニューとして定着を図る。
そのほか、既存品の「ドライキーマカレー 中辛」もパッケージをリフレッシュする。たまり醤油を使用し、ご飯によく合う味わいに仕上げた同品は、SNSで話題の「無水カレー」投稿に使用されたことも成長の後押しとなった。
トレンドメニューが家庭で手軽に楽しめるルウ商品を拡充・強化することで、内食の満足度を一層高めていく構えだ。

発売25周年の「とろけるカレー」がレトルトに
この秋冬には、即席ルウブランド「とろけるカレー」の初のレトルト商品「とろけるカレーレトルト(甘口・中辛)」も登場する。
物価高の影響もあり、2025年度のレトルトカレー市場は価格と価値のバランスがより重視され、金額前年比は微減で推移した。その中で、長年支持されてきたルウ商品から派生したレトルトカレーは右肩上がりで伸長しており、消費者は「安心感」と「値頃感」を併せ持つ商品を選ぶ傾向にある。
そこで、今年発売25周年を迎える「とろけるカレー」の味わいを生かしたレトルトカレーを投入する。同ブランドの特徴である、ビーフとチキンのコク深いブイヨンと、野菜の旨みを丸ごと凝縮したペーストをベースに、具材として国産のじゃがいもとにんじんを使用。とろっと煮溶けた野菜とポークの旨みを付与することで、家庭でじっくり手作りしたような味わいを表現した。
ルウからレトルトへとブランド接点を広げることで、タイパやコスパ意識の中でも〝外さない〟商品を求める消費者にアプローチ。安心で値頃感のある商品提案で「とろけるカレー」の利用層拡大を図る。

人気のご当地食材を使用した「まぜるだけのスパゲッティソース」
パスタソース市場では近年、節約志向の高まりもあり、まぜるタイプが伸長している。加えて足元では価格だけでない、魅力的な要素を重視する傾向にある。
こうしたニーズに対応し、好調に推移する「まぜるだけのスパゲッティソース ご当地の味」シリーズから、新たに「博多明太子&高菜」と「伊勢志摩伊勢海老バター仕立て」を発売する。いずれもご当地食材の中でも消費者の関心が高いことから商品化に至った。「博多明太子&高菜」は明太子の旨みと辛みを高菜とにんにくで引き立てた、やみつき感のある味わい。「伊勢志摩伊勢海老バター仕立て」は伊勢海老の香ばしい旨みにバターや赤味噌のコクを加え、風味豊かに仕上げた。
併せて、既存品4品のうち、「信州野沢菜漬&きのこ」と「有明海苔あごだし仕立て」をリフレッシュ。使用している素材を増量し、その風味を生かす味わいをブラッシュアップした。日本各地の魅力的な食材を生かしたバリエーション提案で、ブランドの満足度をさらに引き上げていく考えだ。

気候変動や物価高、ライフスタイルの変化により、内食市場を取り巻く環境は複雑化している。エスビー食品は消費者の変化をつぶさに捉え、簡便さや特別感、また魅力的なメニューや食材など多様な切り口から、日常の食卓に新たな楽しさと満足感をもたらす提案をより一層強化していく。





















