米食品スーパー大手アルバートソンズ・カンパニーズは2月12日、オープンAIの広告パイロットプログラムへの参加を発表した。これは、チャットGPTにおける新しい広告フォーマットが、より関連性が高く、効率的で、パーソナライズされた広告体験を消費者に提供できるかを探る初期テストである。アルバートソンズ・カンパニーズは「パイロットパートナー」として、会話型体験においてユーザーとブランドに価値を引き出す、関連性のある役立つ広告の在り方を探求する支援を行う。

 同社の最高商業責任者(CCO)のジェニファー・サエンス氏は、「オープンAI広告パイロットプログラムに参加することで、消費者がすでに愛用しているデジタル体験に慎重に統合することにより、適切なタイミングで適切なアルバートソンズ・カンパニーズの商品と消費者を結びつける最先端の方法を探求し、形作るまたとない機会を得た」と述べた。「バレンタインデーにちょうど間に合うこのパイロットプログラムは、お客様が愛する人を祝うために便利で簡単なレシピ、食事、ギフト、パーティーの必需品をいつ、どのように購入するかというニーズに応えるための新たなチャネルとなる」(サエンス氏)。

バレンタイン検索で地元店舗の広告表示、30分配達も

 「バレンタインデーに最適な花」「ギフトとしてのチョコレートとお菓子」「バレンタインデーの祝い方」といった検索語を入力する消費者は、アルバートソンズ、セーフウェイ、ボンズ、ジュエル・オスコ、ショーズ、エーシーエムイー、トム・サムを含む地元のアルバートソンズ・カンパニーズ傘下店舗からの、明確にラベル付けされた広告を見る可能性がある。

 買い物客が広告をクリックすると、生花、贅沢なチョコレート、甘いお菓子、思いやりのあるギフトを含むアルバートソンズ・カンパニーズのセール、ギフト、レシピを特集するバレンタインデー専用ページが表示される。しかも、これらの商品はフラッシュサービスによって最短30分で配達可能である。

 広告はチャットGPTの回答の下に表示され、短いテキストで紹介された商品画像で構成される。オープンAIは、チャット(プロンプト)の内容、ユーザーのチャット履歴、過去の広告インタラクションに基づいて、どのオファーを表示するかを決定する。

 サエンス氏は「私たちは、会話の流れを遮るのではなく、それを補完する広告に注力している。チャットGPTで広告をテストすることで、新規顧客とのエンゲージメントを拡大し、既存顧客と親和性を高めている」と付け加えた。

 オープンAI広告パイロットプログラムが進化するにつれて、アルバートソンズ・カンパニーズのリテールメディア部門であるアルバートソンズ・メディア・コレクティブは、ブランドパートナーがこの広告フォーマットを活用できるよう支援する態勢を整えている。

「買い物アシスタント」利用者は2桁のバスケット成長

 オープンAI広告パイロットプログラムは、技術とAIを通じて能力を近代化するアルバートソンズ・カンパニーズの戦略を基盤としている。同社は社内の多くの部門にAIを組み込んでおり、従業員がエージェントAIと生成AIの力を使って最高の仕事ができるようにしている。

 最近、同社は、食料品買い物をより速く、よりスマートに、よりパーソナライズされたものにするために設計されたアルバートソンズAI買い物アシスタントとアスクAIを立ち上げた。これらのツールを利用し始めた顧客のバスケット単価は2桁成長を示すなど、高いエンゲージメントが認められており、顧客がより簡単に新製品を発見し、より速く食事を計画するのに役立っている。

 オープンAIのウェブサイト上のパイロットの説明によれば、広告はチャットGPTが生成する回答に影響を与えない。同社は人々の会話を広告主と共有せず、常に広告をスポンサー付きとしてラベル付けし、視覚的に分離すると付け加えた。

 オープンAIは、このテストは無料およびゴーのサブスクリプション層を通じてチャットGPTシステムにログインする成人ユーザー向けであり、プラス、プロ、ビジネス、エンタープライズ、エデュケーションの各層には広告が表示されないと指摘した。

 他の初期テスト参加企業には、ターゲット、ウィリアムズ・ソノマ、フォード、アドビがいる。ターゲットも今週、オープンAI広告パイロットプログラムへの参加意向を発表している。

 アルバートソンズのオープンAI広告パイロットプログラム参加は、検索エンジン広告、ソーシャルメディア広告に次ぐ新たな広告形態の模索である。会話型AI広告が小売業界にどのような影響を与えるかが注目される。