カナダを本拠とするコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールは、米小売企業ジャイアント・イーグルから買収を進めていた「ゲットゴー・カフェ+マーケット」について、米連邦取引委員会(FTC)より買収承認を取得したと6月26日に発表した。これにより、同取引は数日内に完了する見通しとなった。

 今回の買収により、クシュタールはペンシルベニア州、メリーランド州、ウェストバージニア州、オハイオ州、インディアナ州に展開する約270店舗と、約3500人の従業員を獲得する。ゲットゴーは買収後も独立した事業ユニットとして運営される予定で、既存のブランドやロイヤルティプログラム「マイパークス」も継続される。

 ゲットゴーの新たな事業部門は米国内のクシュタール店舗ネットワーク内に設けられ、運営担当副社長には、ジャイアント・イーグルに33年間勤務し、2022年からゲットゴーの運営責任者を務めてきたマイク・マラルド氏が就任する。

 オペレーションや管理部門の上級職員、およびスタッフは引き続き、ペンシルベニア州クランベリー・タウンシップにあるジャイアント・イーグル本社キャンパス内の専用スペースを拠点とする。また、ゲットゴーブランドやプログラムもそのまま維持される。

 売却元のジャイアント・イーグルの社長兼CEOであるビル・アートマン氏は、「ゲットゴーはジャイアント・イーグルの歴史の中でも重要な存在であり、3500人のゲットゴーおよびウェットゴー(洗車店)の従業員には心から感謝している」と述べたうえで、「クシュタールはゲットゴーの今後の成長に適したパートナー」と語った。

 今回の取引に際してクシュタールはFTCと協調し、規制要件を満たすために米国内の35店舗を売却することで合意している。具体的には、サークルKブランドの34店舗とゲットゴーブランドの1店舗を、FTCが承認した買収先に譲渡する方針だ。買収が完了すれば、クシュタールは米中東部におけるプレゼンスを大きく拡張することになる。(写真はサークルKグループ採用サイトより)