「水と油、というかブレーキとアクセルというか。キャラがまったく対照的でうまくいくのか」——。「ドン・キホーテ」を運営するDS最大手パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の9月の新体制移行に向け、巷間ではそんな話が囁かれている。PPIHの次期社長最高経営責任者(CEO)に就任する森屋秀樹専務(47)と、同最高執行責任者(COO)と中核会社のドン・キホーテ社長に就任する鈴木康介専務(48)だ。
ドンキがこの人事を発表したのは3月。現社長で大手コンサル企業のマッキンゼーなどを経た吉田直樹社長が安田隆夫・創業会長兼最高顧問(76)に乞われて米国の子会社に入社したのは2007年。小売り・営業経験ともゼロの吉田氏だったが、安田氏から絶大な信頼を得て19年9月からHDのCEOとドンキ社長を兼任。完全子会社化したユニーの統合を成功に導き、24年6月期には初の連結売上高2兆円も達成。直近の25年6月期第3四半期累計の売上高も1兆6882億円(前期比8%増)、営業利益1286億円(同17%増)と実績を上げた。