パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は積極的なM&A戦略が一段落した今、海外事業(北米、アジア)の拡大、GMS事業からDS事業への業態転換、残されたGMS事業再構築のための新業態開発など、矢継ぎ早に手を打ち、それぞれに手応えを得ている。中で唯一気がかりなのがDS事業の主力である駅前型ドン・キホーテの業績不振だ。インバウンドの蒸発という不慮の出来事を差し引いても課題は山積みとなっている。駅前型ドンキがインキュベーターの役割を果たしPPIHはここまで成長してきた。今後最も期待される海外事業の拡大を支えるためにも駅前型ドンキの立て直しが急務であり、全社でプロジェクトを組んで新DSの再構築に臨んでいる。

 PPIHが2月10日に発表した2021年6月期第2四半期(20年7−12月)連結決算は微減収増益となった。インバウンドの蒸発やイベント(クリスマス、ハロウィーンなど)自粛などの影響を受け、主力の駅前型ドンキ業態の既存店売上高前年比は80%台半ばに止まったが、郊外型ファミリー向けMEGAドン・キホーテは価格対応の強化、地域密着の品揃えが奏功し、既存店売上高前年比0.2%の微増。これにUDリテールの同比105%増が加わり、DS事業全体の売上高は3.3%増となった。UDリテールへの業態転換を進めているためGMS事業(ユニー)の売上高前年比は10.0%減となったが、既存店売上高同比は5.0%増と好調に推移。これに海外事業売り上げの36%増収が加わり、期初予想を上回った。

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