7月8日、米国は8月1日から14カ国に対する新しい輸入関税適用を発表した。タイもその一つに該当する。新たな対タイ関税率は36%で、米国が今年4月に発表していた税率と同じままだ。
7月8日に米国からタイ国王に宛てられた書簡では、タイに対して大きな貿易赤字があるという米国の不満がこの税率に表れているとの説明がされていた。これまでタイは対米国製品の輸入関税は平均9.8%、特にタイは農業国でもあるため米国産農産物に対しては27%も関税をかけてきた。他方で米国はタイ農産物には平均3.3%しか関税を徴収していない。書簡ではタイ企業が米国内で製造拠点を設ける場合は迅速な承認対応などを約束する一方、タイ政府が報復的税制を発動した場合、米国はさらに関税を引き上げるともしている。
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2025.08.01
海外/タイ/トランプ関税で打撃を受ける輸出産業の行方/タイ在住ライター 高田胤臣