すべての商品を一律1ポンドで販売する「英国版100円ショップ」の代表格といえる「パウンドランド」(冒頭写真)。6月はじめ、この雑貨ディスカウントストア自体が、なんと1ポンドで売却されてしまった。同社は35年前にバーミンガム郊外で創業するや労働者層を中心に人気を集め、瞬く間に全国展開を遂げた。長らく親しまれてきたパウンドランドの凋落は単なる一企業の問題にとどまらず、ディスカウント業界全体が抱える構造的な危機を象徴していると見られている。
売却価格の安さに加え、新オーナーとなった米国の再生投資会社ゴードン・ブラザーズが、最大8000万ポンド(約160億円)もの再建支援を約束したことも話題となった。継続的な赤字と、過去5期連続での売り上げ減少からの再建を進めるのは、バリー・ウィリアムズCEOだ。同氏は2年前まで同社の運営を率いた後、親会社の欧州事業に移っていたが、この3月に復帰した。