コメの高止まりが改善されない状態が長期化している。コメ高騰の原因は23年産米の不作にあるといわれている。そこにインバウンド需要が重なり、小売りの店頭が品薄になり、24年夏から一気に価格が上昇した。農水省は新米が出回ればコメ不足は解消されると繰り返し説明してきたが、予想は大きく外れている。
そればかりか高値と品不足の長期化で国民の不満が高まり、政治問題化する事態になっている。多段階で卸が介在する複雑な流通経路がコメの価格高騰や供給量不足を招いていると指摘する小売企業は多い。しかし、消費者の困りごとを解決するために、小売企業が随意契約の備蓄米放出以前に、自発的、能動的にコメの価格引き下げや供給量拡大に動いた事例は少ない。それどころかコメ販売の単価アップや原料高による弁当、おにぎりへの価格転嫁の恩恵を受け、24年下期から業績を伸ばしている食品スーパー(SM)、ディスカウントストア、コンビニエンスストア、ドラッグストアは数多存在する。