米大手小売りチェーンのウォルマートは、夏季恒例の大型セールイベント「ウォルマート・ディールズ」を7月8日から13日まで6日間にわたり開催する。今年はオンラインと店舗の両方で同時展開し、過去最大規模のセールとなる。

 アメリカ東部時間7月8日午前0時からオンライン販売が開始され、店舗では地域の開店時刻よりセールがスタートする。ウォルマートではAI(人工知能)を活用したウェブサイトとアプリの刷新により、ユーザーがより効率的かつ快適に商品を見つけられる仕組みを整えている。さらに、カーブサイド・ピックアップ(店外受取)や自宅配送サービスも強化し、顧客の多様な購買ニーズに応える。

 「ウォルマート+(プラス)」会員は、一般公開に先駆けて7月7日午後7時(米東部時間)より商品購入が可能だ。

 ウォルマートのゼネラルマーチャンダイズ担当上級副社長のメーガン・クロージャー氏は「バーベキューから新学期準備まで、夏は最も忙しい買い物シーズン。今回のウォルマート・ディールズでは、健康関連商品や日用品など、さらに幅広い商品ラインナップを用意した。家族が新学期準備を早めに進める傾向が強まるなか、当社は『ファーストデー・エッセンシャルズ』といった新学期向け必需品もお得な価格で提供し、家計をサポートする」と述べている。

 今回のセールで特に注目されるのは、最新の家電製品、家庭用品、ファッションアイテム、玩具、美容関連商品、そして新学期用の学用品だ。対象ブランドも「サムスン」「ビジオ」「ダイソン」「シャーピー」など、名だたるメーカーが並ぶ。

主な目玉商品(抜粋)

商品名セール価格(通常価格)
サムスン 32インチ スマートモニター199ドル(299.99ドル)
ビジオ 50インチ QLED スマートテレビ238ドル(298ドル)
ダイソン V7 アドバンスド コードレス掃除機229.99ドル(399.99ドル)
HART 40ボルト 21インチ 自走式芝刈り機キット374ドル(548ドル)
オザーク・トレイル 20×10フィート キャノピーテント139.77ドル(199.67ドル)
セイコー メンズ自動巻き腕時計125ドル(196.20ドル)
タイメックス レディース ドレスクリスタル 30mm ウォッチ32.25ドル(79ドル)
スカイライト 15インチ オールインワン ファミリーカレンダー269.99ドル(319.99ドル)
75インチ DIY ナットクラッカー人形(予約販売)159ドル(特別価格)
55インチ DIY ジンジャーブレッドハウス(予約販売)100ドル(特別価格)

新学期商戦にも先手

 年々早まる「バック・トゥ・スクール」(新学期)商戦に対応し、学用品の早期販売にも力を入れる。教職員や家族がシーズン前に十分な準備ができるよう、学用品、バックパック、ノートパソコン、ランチボックス、さらには「ファーストデー・ファッション」に至るまで、大幅値引きを実施する。

 注目の商品例は以下のとおり。

商品名セール価格(通常価格)
クレヨラ クレヨン(24色)0.50ドル(1.44ドル)
シャーピー 油性マーカー(24本セット)14.97ドル(19.55ドル)
ペーパーメイト InkJoy ペン(14本セット)14.97ドル(23.38ドル)
EXPO ブラックマーカー(8本セット)6.47ドル(9.28ドル)

アマゾンと“ガチンコ勝負”

 今回のウォルマート・ディールズでは、オンラインと店舗販売を併用することで、顧客が自身のライフスタイルに合った買い物方法を選べるようになった。短時間の来店購入、カーブサイド・ピックアップ、宅配サービス、いずれにも対応している。さらに、進化したアプリとAIサイト体験により、必要な商品がすぐに見つけられ、新商品との出会いの楽しみも生まれる。

 今年のウォルマート・ディールズは、アマゾンが同時期に開催する「プライムデー」と時期が完全に重なっている。アマゾンは7月8日から11日まで「プライムデー」を予定しており、ウォルマートはこれに1日多い6日間の開催期間をぶつける形となった。いずれのセールも家電や日用品をはじめとする大幅割引を前面に打ち出しており、2025年夏の米国EC・小売市場はかつてない規模の価格競争が繰り広げられる公算が高い。

 物価高に加え、米国では消費マインドの慎重化も見られるなか、消費者の節約志向に応えるこうしたセール合戦は、生活防衛意識の高まる中間層の購買をいかに引きつけられるかが成否の鍵となるだろう。