サンスターは6月4~10日の「歯と口の健康週間」に向けたメディア取材会を5月15日に本社で開いた。オーラル市場の動向と、同社の主力オーラルブランド「G・U・M(ガム)」の上期戦略を発表。ガムのベネフィットである歯周病予防の価値をより効果的に伝えながら、ブランドトータルの売り上げを引き上げる施策を示した。
2024年度のオーラルケア市場は前年比4.6%増の3668億円と堅調な成長を果たした。全体の約6割を占めるハミガキ(歯磨剤)とハブラシの売り上げが着実に伸びたほか、近年は歯間クリーナーが際立った成長を続けている。また、前年やや縮小した液体(洗口液)もプラスに転じた。
中でハミガキは高価格帯へのスイッチが販売額の押し上げにつながっている。これを捉え、サンスターはハグキ下がりを予防する高機能品「ハグキラボ」を打ち出すとともに、500円以下の中価格帯での単価アップに向け「ガムプラス」の訴求を再強化する。ガムプラスは歯周病菌の増殖を防ぐ効果があり、その効果は磨いた後も続く。こうした特長を歯周病のメカニズムを知らない層にも伝えるべく、「ハミガキは、歯みがきしていない時間で選びませんか」のメッセージでコミュニケーションを展開。商品認知を高め新客の獲得を狙う。
ハブラシはすでに使用率が100%であることから、単価アップが市場拡大を支えている。ガムは引き続き歯周病対策ブランドであること、歯科医が奨めるブランドであることをアピールすることで低単価ハブラシの単価引き上げを図る。
液体の市場は拡大基調にあるものの、ここ数年購入者数自体はあまり変わっていない。これは流入がある一方で離脱者も一定数出ていることが要因だ。そこでキャンペーンなどで新規使用のきっかけを作るとともに継続率を高める施策を展開。習慣化しやすい2本パックの提案や、ドラッグストアと組み、購入の30日後にクーポンを配信するなどの施策で使用率と使用量を両輪で高める考えだ。
歯間クリーナーは未使用者の購入が順調に増えており、17年比で1.5倍に市場が拡大している。ガムはL字型ブラシの展開で市場を上回る成長を遂げており、昨年にはシリーズ最細の商品を発売、好調に推移している。今期からは、歯間クリーナーの使用が歯周病予防につながるというメッセージをより強く発信し、裾野の拡大を推し進める構えだ。
サンスターは歯と口の健康週間に合わせた施策として、5月1日から6月30日まで「家族1人ひとりに合わせたおくちケアはじめよう!キャンペーン」を展開している。これはピングーグッズなどの抽選プレゼントをフックに、オーラルケア商品の組み合わせ購買を促すもの。マーケティング統括部 オーラルケアマーケティング部 GUMグループの和田知尋コミュニケーションチーム長は、「カテゴリーを越えた併買、システムでの利用を増やすことでさらなる市場活性化につなげたい」と意気込みを語った。