アマゾンが8年連続で米国の主要小売業者の中では最安値で商品を提供していると、独立調査機関プロフィテロの調査で明らかになった。独走に見えるが、一方でターゲットなど競合との差は接近している。
主要22社の中15品目すべてでトップ
節約が重要であることは時代を問わず普遍的な価値観であると考えるアマゾンは、顧客がより少ない支出でより多くの価値を享受できるよう努めている。今回の1万3000以上の商品におよぶ調査で、アマゾンは米国の主要22小売業者の中で最も低価格を提供している。
調査対象の15の製品カテゴリーすべてで競合を上回る価格設定を実現し、平均価格差は14%に及んでいる。これらのカテゴリーには、家電製品、ベビー用品、ファッション、食品・飲料、美容、健康・パーソナルケア、家具、家庭用品、ペット用品、スポーツ・アウトドア、玩具・ゲーム、ビタミン・サプリメントが含まれている。
日用品においては、価格が競合他社より1〜6%低く、美容、ベビー用品、家庭用品など、毎日の生活に欠かせない製品で大きな価格競争力を発揮している。また、家電や電子機器、玩具といったギフトカテゴリーでも2〜9%の価格差を実現している。
アマゾンの小売部門、ワールドワイド・アマゾンストアーズCEOのダグ・ヘリントン氏は、「顧客が低価格を重視していることを十分理解しており、それに応えるための努力が実を結んでいることを誇りに思う」と述べている。
ターゲット、ベストバイが猛烈な追い上げ
今回の調査では同一商品のみを比較対象とし、パック構成や在庫状況が一致する場合に限り比較を行った。2024年7月8日から9月29日までの12週間、毎日データを収集し、平均価格を算出している。同じ商品の価格は24時間以内に収集し、正確な比較を保証した。
対象となった小売業者には以下が含まれる:アマゾン、ターゲット、ウォルマート、ベストバイ、チューイー、ノードストローム、ペットコ、ペットスマート、アルタ、メイシーズ、ローズ、CVSなど。 アマゾンの価格優位性(競合他社に比べ平均14%安)は盤石ながら、昨年の同16%から比べると、やや差が縮まった。
ターゲットは価格競争力を向上させ、オンライン価格がアマゾンより平均13%高い水準に改善した(昨年は16%高)。特に家庭用家具、家庭用品、美容カテゴリーで顕著な進歩を遂げ、価格差を5ポイント縮小した。また、玩具カテゴリーではウォルマートと並んで2位となり、アマゾンとの差は2%にまで縮まった。
一方でウォルマートは、依然としてアマゾンの最も近い価格競争相手であり、同一商品の価格差はわずか5%にとどまる。ただし、昨年の4%差からやや競争力が後退した。
ベストバイは、ホリデーシーズンに人気の高い「ビデオゲーム」カテゴリーで2位に浮上し、価格差はアマゾンより9%高い水準に改善。さらに家電カテゴリーではウォルマートと並び最安値を実現した。
またペット用品カテゴリーではチューイーがアマゾンに次いで競争力を維持し、価格差はわずか1%にとどまった。ファッションカテゴリーではノードストロームが価格競争力を向上させ、ウォルマートと並びアマゾンより5%高い水準を記録した。
プロフィテロの成長担当最高責任者であるマイク・ブラック氏は、「インフレ率が2021年以来の最低水準に低下したにもかかわらず、消費者の信頼感は依然として低迷しており、買い物客は慎重な姿勢を崩していない。このような状況下では、一貫して価値を提供し、価格を低く抑えられる小売業者が顧客の関心と財布を勝ち取るだろう」と述べている。