J.フロントリテイリングは11月13日、来年3月をメドに、ブランド・宝飾品リユースのコメ兵と合弁会社を設立すると発表した。リユース業界との合弁会社設立は百貨店業界では初の取り組み

  本合弁会社については、J.フロントが51%を出資し、連結子会社にする予定。社名や所在地は未定だが、事業内容としては、買取専門店をJ.フロントが展開する大丸や松坂屋、パルコなどに展開し、顧客よりリユース品を買取り、 買取ったリユース品をコメ兵に売却するというもの。

 両社は、事業モデルの検証のため、今年3月から約3カ月間、ブランド品のバッグ、衣服、宝石・時計などの買取店舗を「大丸神戸店」(神戸市中央区)に出店するとともに、同店の外商顧客を対象に訪問買取を実施したところ、想定を上回る買取りが寄せられ、顧客ニーズや事業の収益性などを確認することができたことから、合弁会社設立を決めた。

 リユース経済新聞によれば、2023年のリユース業界の市場規模は、前年比7.8%増の3.1兆円で、09年以降14年連続での拡大傾向にある。物価高の影響から割安なリユース品への注目度が上昇しているほか、生活者のサステナビリティ意識の高まり、訪日観光客によるインバウンド需要の回復も追い風になっているという。

 J.フロントは、ファッションレンタルのサブスクやeスポーツ事業への参加など、他の百貨店とは一線を画す新事業展開を進めており、今回のリユース事業への参入もその一つ。こうした取り組みにより独自路線を突き詰めていく方針だ。

 (冒頭写真、KOMEHYO GINZA)