テスコは、10月16日、英国最大の企業用電力購入契約(PPA)を締結したと発表した。同社は2035年までにカーボンニュートラル達成を目標に掲げており、この契約はその重要な一歩となる。

 新たな電力の調達先となるクレーブヒルソーラーパークは、クインブルック・インフラストラクチャー・パートナーズがケント州ファーバーシャムで建設中のもの。テスコは、ここからエネルギー企業のEDFを通じ、英国の店舗における電力需要の最大10%を調達する予定で、これにより大型店舗144店の年間電力を賄える見通しだ。

 テスコが締結した15年間のPPAは、英国における過去最大のソーラー企業用契約。クレーブヒルは373メガワット(MW)の容量を持ち、英国で初めて建設される太陽光発電と蓄電のプロジェクトで、2023年初頭に建設を開始、25年初めには運用を始める予定だ。

 クレーブヒルソーラーパークは、56万以上のソーラーパネルとエネルギー貯蔵インフラを備えており、再生可能エネルギーの重要な供給源として位置づけられている。EDFは、電力バランシングと、電力供給量を一定に保つシェーピングサービスを提供する。

 英国では、2023年第1四半期で、国全体の電力の48%を再生可能エネルギーが賄っている。今回のテスコとクインブルック、EDFのパートナーシップは、英国のネットゼロ目標の達成に寄与するものと言える。

 クインブルックのマネージングディレクターであるキース・ゲインズ氏は、「このコミットメントは英国のソーラーに新たな基準を設けるもので、英国における次世代のエネルギー移行インフラの青写真となるだろう」と述べている。

 テスコは過去5年間にわたり、複数のエネルギープロジェクトを発表しており、英国全土の風力発電所やソーラーパークから直接グリーン電力の調達に努めてきた。今回のクレーブヒルからの調達が加わることで、テスコUKの電力需要の45%、グループ全体の2030年の予想電力需要の36%をカバーできると見ている。

 クレーブヒルソーラーパークは、国家的重要インフラプロジェクトとして位置づけられ、国のエネルギー戦略におけるその重要性が再確認されている。