「経営者として能力不足だった。もっと大胆なことをしないと」――。メルカリの山田進太郎CEO(最高経営責任者、冒頭写真)が複数のマスコミを前に大弱気発言をしたことが大きな波紋を呼んでいる。
同社の前24年6月期の決算は主力の国内スマホアプリがGMV(流通取引総額)で初の1兆円を突破。売上収益が1874億円(前期比約9%増)、コア営業利益(費用など控除後)も188億円(同約13%増)と、過去最高を更新した。だが国内の流通取引総額は最低必達目標の10%成長に届かず。一方で大赤字の米国事業をいったん縮小。広告宣伝費や人員大幅削減で赤字額を70億円程度から25億円程度まで縮減、なんとか面目を保った。冒頭の山田CEOの反省は国内鈍化や米国の不振をつきつけられ、思わず本音が出た形だが、株価は21年の最高値から7割も下落。おりしも株主総会が9月25日に迫り、こうした弱気の発言に「経営者失格」という声が高まった。