セブンイレブン・ジャパンは手頃な価格で提供する「うれしい値!」商品を拡充する。今年9月末までに合計270品を展開し、その後も品揃えを見直しながら継続的に打ち出す。物価高騰で高まる節約志向に対応し、来店頻度・客数アップにつなげる。
うれしい値は7月中旬、先行的に「手巻おにぎり」で導入していた。「しゃけ」と「ツナマヨネーズ」の2品で原材料を見直し、税別128円で展開。これによりおにぎり全体の販売数・額が開始前と比べ1割以上伸びたことを受け、施策の拡大を決めた。
オリジナルフレッシュフードでは8月末で約20品だったものを、9月末に65品まで増やす。チルド弁当では、新たに規格を変更し、価格を下げたものとして「五目炒飯」「麻婆丼」「バターチキンカレー」を9月3日から発売した。製造工程におけるオートメーション化や、製造工場の集約などにより、従来370円の本体価格を323円に抑えた。そのほか、今回のために手を加えたわけではないが、元から競争力のある価格・品質を持っていた既存品を、うれしい値として打ち出すパターンもある。
PB「セブンプレミアム」では、これまでNBの実勢価格と比較して値頃感のある商品を「安心価格」として訴求していたが、9月3日からうれしい値に統合する。該当商品は適宜見直しを行い、9月末時点では205品を展開する予定。当初の対象商品は、「毎日の食卓牛乳1ℓ」(税別238円)、「ポテトサラダ」(同138円)、「醤油ヌードル」(同158円)などだ。
また、主にグループ内のスーパーで展開してきた低価格PB「セブン・ザ・プライス」の非食品商品の取り扱いも強化する。トイレットペーパーや洗剤など約18品を9月以降順次、全国で発売開始する計画だ。
羽石奈緒執行役員商品本部長は、「うれしい値は期間限定キャンペーンではなく、一定程度の品揃えで売り場を作り、販促物で訴求し、継続的にアピールを続けていく。これにより値頃商品の存在をお客様にきちんと知ってもらい、コンビニの割高なイメージを払拭したい。KPIは客数。これを機に今までご来店いただけていなかったお客様、来店頻度が落ちてしまっているお客様を取り込んでいく」と力を込めた。