スーパー並みに食品を充実、なお続く実験店

 全国に2209店舗(2024年5月末時点)を展開するウエルシア薬局は、お客との最大の接点である店舗の魅力や利便性を向上させることで、競争力を高める取り組みを続けている。郊外か都市かで巧みに打ち出し方を変えて支持を得る同社の戦略が特によく表れているのが、今回紹介する3店舗だ。

 ショッピングセンター・イオンタウン幕張西の核店舗として1階に立地する「イオンタウン幕張西店」(冒頭写真)は「ヘルスケアと食の連携」をテーマにした実験店。21年10月のオープン当時、地域住民からはスーパーのニーズが高かったことから、424坪の売り場の4割ほどを食品に割いている。食品の売上構成比も4割を占め、全社平均の23~24%を大きく上回る。特に弁当・惣菜の売上高は千葉県内の店舗で最も高く、スーパーの代替機能を果たす狙いが奏功している。午前中は近隣の年配者が多く、昼過ぎは主婦、夕方は会社帰りの男性と客層は幅広い。食品の充実が集客につながり、さらに買い回り効果を生むことで、セルフ化粧品のカテゴリーは今年に入って最も伸長した。その要因は、店舗の認知が進んでいることに加え、国道を挟んで向かいに立地するドン・キホーテが深夜3時で閉まることから、24時間営業の強みも生きている。

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