パナソニックの業務用冷蔵・冷凍庫などを手掛けるコールドチェーンソリューションズ社(CCS社)(東京都墨田区)は7月18日、今年7月から受注を開始したスーパーショーケース「REシリーズ」の出荷式(冒頭写真)を開催。それに合わせコールドチェーン事業説明会と、パナソニックグループ国内最大拠点であるコールドチェーン事業本部の群馬県工場(群馬県大泉町)で見学会を行った。
9年ぶりのフルモデルチェンジでSM、ドラッグの冷凍強化を支える
「産地から食卓までの食のサプライチェーン」の内食・中食・外食の幅広い事業領域を展開するCCS社では、現行のEVシリーズを発売して以来約9年ぶりにフルモデルチェンジを行う。「信頼できる、洗練する、本当の」の三つの頭文字の「RE」にシリーズ名を込めた「REシリーズ」の受注を7月から開始した。電気代が高騰する中で、取引先に強く求められる「デザイン、省エネルギー、大容量化、冷凍強化」の四つを特に進化させた。
出荷式で土屋康之コールドチェーンソリューションズ社副社長は、「スーパーショーケースは大泉の地で事業を開始して約60年経過します。この60年の歴史は、まさにスーパーマーケット(SM)が始まった歴史と重なります。エンドユーザー様から様々な声を聞き、それを商品に反映し、SMのお客様とともに当社の事業は継続、成長してきました。これからの新たな時代に向けて、『REシリーズ』は製配販一体のプロジェクトとして数年かけて開発しました。当社は日本の食のライフラインを守ることに誇りを持って事業を進めていきます」と意気込みを語った。
「デザイン」では、突起のないフラットな仕様で、ハンドレールは商品をより目立たせるステンレスを使うことで高級感を出しながら清掃力を高めた。バンパーもステンレスで傷や汚れに対する耐久性も向上させた。
「省エネ」では、エアカーテンの効率向上や庫内温度制御を見直し、所要冷凍能力の低減、新店舗コントローラーとの連携制御などにより冷凍全体で約15%(EVシリーズ10年間の電気代比較)の省エネを実現した。
「大容量」では、庫内容量を約9%拡大(EVシリーズ多段形との比較)し、より多くの商品陳列が可能だ。
「冷凍強化」では、冷凍食品の需要増加に対応し、リーチインケース6尺/8尺のスリムタイプなど冷凍用ケースのラインアップを拡充。また業界初となる真空断熱ガラス(VIG)省エネ扉搭載の冷凍ショーケースは9月から受注開始する。パナソニックのプラズマテレビの技術を生かしたVIGを活用し、業界で初めてショーケースガラスに採用。扉ガラスのヒーター通電制御により、省エネ効果を約33%(トリプルガラス搭載機種と比較)高めた。