テスコがイギリスの国営医療サービスNHS(国民保険サービス)と組み、食品包装のリサイクルに乗り出した。スナック菓子の空き袋やパンの包装袋、ヨーグルトの蓋といったプラスチック類が、NHSの土地や施設の1割を管理するNHSプロパティサービス社が設計するコミュニティガーデン(公園)で使用される屋外用家具や庭園設備に生まれ変わる。
フランスを拠点とするグローバルな総合環境ソリューション企業であるヴェオリアグループが導入したリサイクルプロセスは、これまでリサイクルが困難だったソフトプラスチックをベンチやデッキ、テーブル、花壇などに変えることができるというもの。
NHSプロパティとヴェオリアの提携により、リサイクル製品はソーシャル・プリスクリプション(処方箋)・プログラムに寄付され、患者や地域社会が利用できる医療センター周辺に自然を取り入れるために使用される。
テスコの顧客が店舗に戻した数十万枚のソフトプラスチックで作られた家具や設備を使用して、全国にコミュニティガーデンが設置される。ベンチ1つを作るのに、2500個以上のソフトプラスチックが使用されている。
最初の庭園は、NHSプロパティサービスが所有するロンドンのジョン・スコット・ヘルスセンターに作られ、トレリス、デッキ、花壇、座席、テーブルなどにリサイクルされたソフトプラスチックが含まれている。
計画ではこうした施設が100カ所開設される予定で、決定している主なものは以下:タールトン・ヘルスセンター(プレストン)、マグホール・ヘルスセンター(マージーサイド)、ゴスコット・ホスピス(ウォルソール)、ショーハウス(セント・オーステル)、ホイットビー・コミュニティ・ホスピタル。
これまでに、テスコは英国のテスコ自社ブランド製品から23億個以上のプラスチックを削減している。具体的には、①テスコ・ドットコムの配送から2億個以上のバッグを削減、②クリーム、ヨーグルト、デザートなどの商品から1億個以上の蓋を削除、③ブランドビールやサイダーの缶から5000万枚のプラスチック包装を削減、となっている。