東京・豊洲のセブンイレブン1号店がこの度開店50周年を迎えた。これを記念し、セブンイレブン・ジャパンは5月13日、同店で当時からオーナーを務める山本憲司氏を招き、メディア向けトークショーを開催した。山本氏はいつものユニフォームに身を包み、ステージ上でセブンイレブンと歩んだ半世紀を述懐。言葉の端々に熱い思いがにじんだ当日のトークの模様をレポートする。

開店初日は雨模様 最初に売れたのはサングラス

 ――50年前、まだ日本でほとんど知られていなかったコンビニに挑戦しようと思ったきっかけは何だったんでしょう。

 山本 元々、私の家は酒屋でした。父の健康不安から大学をやめて家業を継いだのですが、当時酒屋の仕事の中心は配達で、しかも売り上げの8割が掛け売りだった。生活する分の利益は出ていましたが、もっとお客様にご来店いただける方法はないかと考えていたんです。それで大学をやめた後も経営や流通の勉強を続けていたんですが、ある講演でコンビニエンスストアという業態の存在を知りました。うちの小さな売り場で新しい商売をするならこれだ、と思っていたところに、イトーヨーカ堂がセブンイレブンをフランチャイズ展開すると発表されたんです。ひとつ、これに賭けてみようと。1973年の8月、私が23歳の時でした。

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