売り上げは上向くも広がるチェーン間格差

 コンビニエンスストアの店舗売り上げが回復基調にある。大手4社の2022年度中間決算は、構造改革中のミニストップを除き、いずれもチェーン全店売上高が前年同期を上回った。新型コロナの行動制限が緩和され、人流が回復したことが追い風となった。下期は政府施策の後押しもあり、行楽客やインバウンドの流入も増えると期待できるが、一方で未だ既存店売上高がコロナ前(19年度)の水準に戻りきっていない企業も多い。値上げによる節約志向の高まりなど消費動向も不透明感が強まっており、コンビニはコロナ対応に続く、新たな試練のフェーズに突入しつつある。

 業界トップのセブンイレブン・ジャパンの上期業績は微増収増益だった。営業総収入は会計基準変更の影響でほぼ横ばいとなったが、従来基準の参考値では2・8%増と順調に積み上げている。既存店売上高は2.7%増。月2回のペースで行うフェア企画やPB「セブンプレミアム」の売り込み強化が客単価押し上げに寄与。客数は前年同期からやや減少したものの、全店平均日販は19年度上期(65万9000円)を上回り、成長を続けている。

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