頻度品で競合に負けない価格を打ち出す

「平和堂は子育て世代を取りにいく」――。先般、本屋大賞を受賞した滋賀県が舞台の小説のタイトルのようだが、同じ滋賀を地盤とする平和堂の新中期経営計画のテーマを一言で表すなら、こうだ。同社は今期(2025年2月期)からの3カ年で、地域に根付き、人々の生活全般に関わることで成長を遂げるビジョンを改めて標榜。特にこれまで取り込みが弱かった30~40代の子育て世代へのアプローチを強化し、商圏を深掘り・拡大する方針を強く打ち出している。

「現在、食品市場で40代以下が占める割合は30.6%と言われる。対して平和堂の割合は26.1%。若いお客様に十分来ていただけていない現状がある」。平松正嗣社長が語る課題感だ。メインの客層が中高年であることはSM全体が抱える悩み。だが、中でも平和堂の食品は「良いもの」「こだわり」のイメージが一般にも根強い。中高年層の支持はひときわ厚い半面、「『ちょっと高いよね』との印象から、近年特に価格に敏感な子育て世代がDSやドラッグストアに奪われてしまっていた」と平松社長は吐露する。

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