日本パレットレンタル(JPR)は3月14日、「JPRセミナー2024」をオンラインで開催した。この4月からトラックドライバーの残業規制が始まることで物流危機が懸念される「2024年問題」を中心に、物流業界の課題認識とその対策提案などを、JPRの取引先、パートナー企業、メディアなどを対象に開催した。

 まず、「持続可能な物流に向けた検討会」座長の敬愛大学経済学部経済学科の根本敏則教授が「持続可能な物流の構築に向けて」をテーマに基調講演を行った。根本教授は店着価格制度や多重下請構造が物流生産性を低下させていることについて触れ、物流生産性を向上させる施策として「標準パレット活用による荷役時間の削減」「鉄道・内航海運へのモーダルシフト」を挙げた。

 続いて、「2024年問題・対策事例」として、東京青果経営戦略室課長の中村岩生氏、シジシージャパン顧問の永田孝司氏、長瀬産業機能化学品事業部の仲吉陽祐氏の3人が映像で登場。JPRの共同輸送マッチングサービス「TranOpt(トランオプト)」の活用などについて紹介した。

 最後はJPRの二村篤志社長が「持続可能な物流を標準化と共同化で」をテーマに3つの項目について語った。

 一点目の「物流を取り巻く課題に対する認識」では、24年問題に関して、多くの企業で課題は認識されているが対応はまだまだ遅れている現状を指摘した。二村社長は「運転や整備・点検など運転手が必要な業務以外の荷役と荷待ちで3時間かかるなど、長時間労働の原因となる非効率が、企業と企業のつなぎ目で起きている。問題の背景には企業間の壁や社内の部署間の壁にある」と述べた上で、解決のキーワードに「標準化」を挙げ、「パレットを始めとしたハードや運用の仕組みを共通化することで、物流はさらに全体最適化できる」と提案した。

 二点目の「23年度に実施した取り組み」では、パレットネットワークの充実について紹介。パレットの共同回収を行っている拠点は2800カ所となり、今後も共同回収網の拡充を図っていく構え。また、パレット伝票の電子化の取り組みでは約692万枚を電子化し、手書き伝票をシステムに再入力する手間や、データが確定するまでのリードタイムの長さなどを改善。今後も納品伝票の電子化・共有化サービス「DD Plus(ディーディープラス)」の普及を推進する。

 三点目の「レンタルサービスをより安定的に」では、23年度はレンタルパレット出荷枚数が初めて5000万枚を超える見込みを発表。JPRでは、デジタル化された物流データの利活用をさらに進めることで利便性を向上させていく方針だ。

(冒頭画像は「JPRセミナー2024」で語る日本パレットレンタルの二村篤志社長)

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