米ラスベガスで開催されている「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)2024」にて、アマゾンが異業種大手との先端的な協業を矢継ぎ早に発表している。

 スマートテレビ「Fire TV」ではパナソニックと、自動車に搭載する生成AIではBMWと、シーメンスとはアマゾンのクラウドサービス「AWS」の生成AI対応加速などで協業していくという。

パナソニックの新型スマートテレビにFire TVを内蔵

 パナソニックはアマゾンとのグローバルな協業により、2024年から新型スマートテレビにFire TVを内蔵すると発表した。Fire TVからアレクサにアクセスすることで、顧客は放送中のライブコンテンツ、ストリーミングアプリやサービスを含むエンターテインメントの世界を楽しむことができるようになる。

 Fire TVを内蔵した有機ELテレビの旗艦モデルとして、「Z95A」(65インチと55インチ)と「Z93A」(77インチ)が投入される。

 アレクサとFire TV担当副社長のダニエル・ラウシュ氏は、「世界中のお客様が、Fire TVのパーソナライズされたストリーミング体験とAlexaへのアクセス、そしてパナソニックのクラス最高のスマートテレビとの組み合わせのすべての利点を体験できる」と語っている。

 新型有機ELは、パナソニック初のアレクサによる遠距離音声コントロールを搭載している。アプリの起動、音楽再生、タイトル検索、スマートホームの操作など、リモコンに手を伸ばすことなく、リビングルームの向こう側から声で簡単に操作できるという。

「言語学習アレクサ」搭載のBMW

 BMWとの協業では、アレクサのラージ・ランゲージ・モデル(LLM)で言語学習する自動車をデモンストレーションしている。

 車のマニュアルを読み込む代わりに、BMWに搭載された「音声アシスタント」にBMWのさまざまなドライブモードに関する推奨事項などを尋ね、アシスタントが選択したモードを作動させることができる。

 また、駐車支援システムのようなクルマの機能について指示を求めることもでき、BMWアシスタントのカスタマイズされた音声を通じて、わかりやすい言葉で説明を聞くことができる。

 このほか、アマゾン傘下の自動運転開発企業ズークス(Zoox)が最新世代のロボタクシーを披露しており、CES参加者限定で、自律走行タクシーの早期予約リストに登録することができる。

 専門的なハイテク技術など「餅は餅屋」に任せたうえで協業し、アレクサやAWSの普及を加速度的に拡大させる、アマゾン流「アジャイル戦略」が2024年のキーワードとなりそうだ。