米国で食品スーパー2位のクローガーによる同4位のアルバートソンズ買収に向けた計画が新たな段階を迎えた。統合による市場独占を防ぐため、413店舗などを食料品卸大手のC&Sホールセール・グローサーズに売却すると9月8日に発表した。
クローガーは2022年10月、アルバートソンズの買収で合意しており、24年初頭の統合完了を目指している。売却は買収後に行われ、C&Sから19億ドルが支払われる。FTC(連邦取引委員会)など規制当局による審査を円滑にクリアするための施策だ。
売却対象はワシントン州104店、カリフォルニア州66店など計413店舗にのぼる。さらに八つの配送センター、二つのオフィス、五つのプライベートブランドも含まれる。ライバルに店舗を売却することで閉鎖を避け、雇用の維持や店舗運営の継続を可能にする。
ソフトバンクグループがバックアップ
クローガーはウォルマートに次ぐ食品スーパーで、23年1月期の売上高1482億ドル、純利益22億ドル。アルバートソンズは23年2月期の売上高776億ドル、純利益15億ドル。両社の総資産は単純合計で757億ドル、従業員数は同72万人となる。
一方、C&Sは株式非公開だが7500以上の独立系スーパー、チェーン店、軍事基地などに10万種類以上の商品を供給しており、売上高では全米の非上場企業でベスト10に入る大手。この案件では日本のソフトバンクグループの支援を受けている。10月2日付でC&SのCEOとなるエリック・ウィンCOOは「小売市場にさらに進出するための新たな機会である」と述べている。(写真は売却店舗として名前が挙がっているクローガーグループのマリアノス)