消臭、便利に重点を置く20代、30代のZ世代の流入が増加
ペット排泄ケアの新市場創出へ――。人とペットが共に快適に過ごせる「共生社会の実現」を目指すユニ・チャームは、犬猫のうんちやオシッコの消臭効果が高く、ペットを飼育しやすい新習慣を提案。2024年上期新製品では、環境負荷軽減、業界総資産の拡大、飼育者の3つのメリットを生み出す施策を「24年春の新製品発表会」で打ち出した。
犬猫の飼育頭数は、21年のコロナ期の増加から一転し、22年は猫の頭数は増えているが、犬の頭数は減少傾向にある。こうした環境下で単価の高いフードのプレミアム化を促進し、さらに排泄ケアではコロナを機に高まった消臭・清潔なシステムトイレへのランクアップ移行がペットケア市場拡大に向けて重要性が増している。
顧客変化の調査では、犬猫ともに女性の20代、30代の新規の飼育意向が10%前後と他の世代と比べて最も高い結果となった。在宅勤務の定着などで犬猫を飼いやすい生活環境が整い、コロナ前に比べて、新規流入世代が大きく変化。特に飼育意向の強いZ世代は、SNSなどでの情報収集にも長けていることから、清潔、消臭かつ便利で「タイパ」の良い使用・機能価値に購買の重点を置いている。
こうした中、ユニ・チャームでもZ世代が今後のペット飼育者の主流となっていくと予測しており、これらの世代のニーズに沿った売り場、新製品、販促施策の三つの提案を強化。20代、30代の購入率が高い2層構造のシステムトイレ、紙オムツの強化によって同世代を取り込み、排泄ケアの市場拡大につなげていく。「20代、30代の方々が求める潜在ニーズを顕在化した特徴的な新製品で不快を快に変えていく」とユニ・チャーム広報部は方針を打ち出している。