先手必勝、後手でも必勝で23年は勝ちに行く

 ユニ・チャームは2022年12月5日から16日まで「2023年春成長戦略共有会」をオンラインで開催、その中で国内業績が改善に転じていることを示した。国内業績は22年12月期第2四半期までコア営業利益が前年比でマイナスだったが、第3四半期の7〜9月の3カ月間は、売上高が前年同期比5.8%増の757億円、コア営業利益が同5.0%増の156億円とプラスに転じた。

 背景にあるのが、商品価値を高め価値転嫁を実行できたことだ。燃料・資源価格・物流費・原材料が軒並み高騰し、さらに円安による輸入コストは増加している。こうした逆風下で、同社は4月からペットケアのシステムトイレやシーツ、9月からウェルネスケアの大人用中度おむつの価値転嫁をすることによって市場金額を拡大。流通と協力した施策によって業界総資産拡大に寄与している。

 その一方で、9月に発売したベビーケアの夜用新規市場を活性化する夜用パンツ「マミーポコパンツ夜用」は、配荷店舗が予定より少なく、商品価値を生活者に提案するスピード感に課題を残した。全社方針で高原豪久社長は、「22年度は慎重になりすぎてスローダウンした反省と、スピードが遅れてきたという危機感があります。23年の漢字には常に挑戦し、結果的に後手になっても勝ちに行くという想いを込めて『先手必勝、後手でも必勝』の〝先〟の漢字を選びました」と23年は改めて勝ちに行く姿勢を強く示した。

高原豪久社長

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