アマゾンは11月16日、7年連続で米国最安値のオンライン小売業者だったと公表した。プロフィテロ社の独自調査によると、競合する大手小売り各社との格差は広がる一方、リアル小売りの巨人ウォルマートとの価格差は昨年より縮まっており、“2強による頂上決戦”の様相が強まっている。

<出所:プロフィテロ社>(注)同じパック構成で在庫のある同一商品のみを比較。データは12週間(2023年7月10日~10月1日)に毎日収集・平均化された。同じ商品の価格は互いに24時間以内に収集された。

 大手オンライン小売業者における1万4000品目以上の商品のオンライン価格を比較したプロフィテロ「第7回プライス・ウォーズ」の調査では、ライバル企業との平均価格差は16%で、前年から3ポイント上昇した。

 一方、同一商品におけるウォルマートとアマゾンの価格差はわずか4%で、2022年から2ポイント縮小している。ウォルマートは10カテゴリーで競争力を高めており、特にビデオゲーム、ファッション、ホームセンターで競争力を高めている。特筆すべきは、これらのカテゴリーにおけるウォルマートの価格はアマゾンの価格よりそれぞれ10%、7%、5%高いだけで、価格差がそれぞれ19%、12%、9%だった昨年から大きく改善したという。

 プロフィテロが3カ月間毎日オンライン価格を比較した結果、ウォルマートとアマゾンは同一商品において70%の確率で同一価格であり、この2大巨頭の熾烈なライバル関係を浮き彫りにしている。

 価格の購買決定に対する影響力は、インフレの影響だけでなく、24時間いつでも小売店の価格にアクセスできるオンラインショッピングに依存する消費者が増えていることも影響している。

 プロフィテロの2023年7月の別の調査では、10人中5人の買い物客が、店舗で買い物をする前に小売業者のウェブサイトやアプリを定期的にチェックしており、その際、価格が主な調査対象になっていることがわかった。また、4人に1人の消費者が、店舗での買い物中に小売業者のモバイルアプリやサイトをチェックしたと回答しており、3分の1以上の消費者が、店舗での買い物中に競合他社のウェブサイトやアプリをチェックしたと回答している。