「このままでは、4月半ばには米国の日用品が不足する。新型コロナショックで『最高の追い風を受けているのがアマゾン』というイメージがある。実際配送能力を上回る需要が発生しているようだが裏では相当焦っているはずだ」(ある流通アナリスト)
3月10日に中国の習近平国家主席が新型コロナの震源地である湖北省・武漢を訪問したことで「中国はウイルスを制圧した」かのように喧伝する向きもある。中国が重点企業と位置づける自動車などの「工場再開率」は9割ともいわれるが、実際にどこまで人が工場に戻っているかは未知数だ。アマゾンは中国を主な調達先の一つとして1億種以上にものぼる商品在庫を、同業者に比べて少ない水準に保っていることが競争優位の源泉となっている企業だ。だが、これは平時だから成り立つことだ。すでに同社は2月末、例年7月に行われる会員向けの大型セール「プライムデー」について、納入業者向けに「緊急メール」を出したことが明らかになっている。