主要顧客は70代、80代の高齢女性
買い物難民、そして70代、80代の足弱世代救済の移動販売車で際立つ存在はやはりとくし丸だろう。創業は2012年。16年5月にオイシックス(現オイシックス・ラ・大地)の傘下に入ることで、一気に全国区の階段を駆け上がった。16年当時27都道府県に展開、稼働車両は124台。それが今年8月末現在では1148台に上り、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県では200台に。新宮歩社長は、「首都圏だから特別ということはなく、買い物に困っている方々がいるところへはどんどん出ていく。ただ人口比でみれば、首都圏で今の5倍1000台は走らせることができる」と明言。移動販売車の成長余力が充分あることを窺わせる。
とくし丸のビジネスモデルは、創業者の住友達也氏が築いた。利用者に課した全品プラス10円(創業時)の受益者負担で利益を確保。本部、提携先SM、販売パートナーの3者がリスクと収益を分け合う仕組みを構築。販売パートナーを個人事業主と位置付け、販売の裁量権を委ねた。現在も大枠は変わっていないが、創業当時本部社員が数名程度の小規模経営から、オイシックスの企業力を反映し幾つかの改善が施されている。