20億円のファンドを組成し、19の新ビジネスに投資

 食業界の先駆的なCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)と言えば、オイシックス・ラ・大地の子会社フューチャー・フード・ファンド(FFF)だろう。同社は2019年8月、スタートアップへの投資を集中的に行うために設立され、自社だけでなく外部からも資金を集め、食分野のスタートアップに広く投資している。

 母体のオイシックス・ラ・大地がスタートアップへの投資を始めたのは16年、当初は農業関連の企業が主な対象だった。村田靖雄ファンドマネージャーによれば、「農産物のネット販売を手掛ける企業として、農産物を安定的に生産し続けられる環境づくりが重要だと考えていたが、我々自身ができる支援は限られる。そこで、潅水や施肥のシステムを開発する会社や農作物の輸出を手掛ける会社など、生産技術や輸出のノウハウを持つスタートアップに投資することにした」という。ただ、17年に大地を守る会、翌18年にらでぃっしゅぼーやと大型のM&Aが続いたため、M&Aと出資の戦略のすみ分けが必要になったこと、またオイシックス単独では投資できる額も限られるため、外部からの資金調達も含め、スタートアップ支援に本格的に取り組む組織としてFFFを設立した。

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