40年ぶりのインフレで賃金の見直し機運が高まる中、春闘(春期労使交渉)が佳境を迎えている。

 小売業界では3月から国内従業員の年収を最大40%引き上げることを決定したファーストリテイリングは「別格」としても、労働団体の連合が求める「定期 昇給分を合わせ5%程度の賃上げ」を実現するのは容易ではない。実際、大手企業の調査によると、消費系企業の直近3カ月間(9~11月期)の純益は前年同期比でわずか4%増。値上げで増収企業こそ増えたものの、原材料価格の上昇分を完全には転嫁できず、増益企業はむしろ減少している。物価上昇分(昨年12月の消費者物価指数は21年同月比4.0%上昇)を補える賃上げを実施するのは至難の業だ。

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