イトーヨーカ堂と宝島社が衣料品でタッグを組んだ。宝島社のファッション誌「スプリング」「モノマックス」編集部と、ヨーカ堂の衣料品MDチームが新ブランド「&STANDARD(アンドスタンダード)」を立ち上げ、共同開発した紳士、婦人の各衣料と雑貨など合計18アイテムを9月5日より発売した。価格帯は1419~9889円。
アンドスタンダードは、30~40代をターゲットにした、「こんなものが欲しい」「あったらいいな」を具現化し、暮らしの課題を解決する「あたらしい日常品」がコンセプト。第1弾のテーマは、「ポケットがたくさん」と「たたんでコンパクト」。ポケットがたくさんは、「手ぶらで買い物に出かけたい」「ポケットが多いとシルエットが野暮ったい」という課題に対し、多くのポケットを付けながらも今どき感のあるストレートなシルエットのズボンやスマートなスカートなど8アイテムを開発した。
また、たたんでコンパクトは、「出張時にジャケットがかさばってシワになる」「旅行カバンが大きく重い」という不満を折りたたんで小さく収納できるようにして対応。ジャケットとズボンのセットアップやシワが目立たないプリーツスカートなど収納バッグに入れて持ち運べる商品10アイテムを投入する。
ヨーカ堂が宝島社と提携したのは、衣料品の客層を30~40代にも拡大するためだ。神戸智子シニアマーチャンダイザー(MD)は「この世代は食品売り場に来ても衣料品売り場には来ていただけない」と指摘。衣料品売り場に来ていないお客が気づき、商品を手に取ってもらうために、宝島社が持つ企画力と情報発信力に、ヨーカ堂の品質へのこだわりを掛け合わせることで新しいものができると考えたという。「今まで弱かった30~40代の来店を増やすことで館全体の集客力向上につなげたい」(神戸シニアMD)と意気込む。
アンドスタンダードでは今後、1~2カ月に一度5~10アイテムの発売を計画。10月には第2弾として「ペットの毛がつきにくい」をテーマにした衣料品の発売を予定している。神戸シニアMDは、「すでに来期の企画も検討している。GMSの強みを生かして、寝具やキッチン用品などでも『こんなものが欲しかった』という商品の開発にチャレンジしたい」と意欲を示す。
イトーヨーカ堂はライフスタイルの改革として、7月に幕張店(千葉市)の売り場で大型改装を実施し、売り上げ改善効果が表れている。今回宝島社との共同開発で、商品面でも売り上げアップを図る考えだ。