イトーヨーカ堂は2月1日、家庭で使用済みの食用油を回収する実証試験を「イトーヨーカドー ネットスーパー西日暮里店」(東京都荒川区)で開始した。専用リターナブルボトル(回収容器)を使用した食用油の回収は日本初。従来の家庭系廃食油の回収は使用済みペットボトルを使用していたが、実証実験では専用回収容器を使用することでゴミを発生させない取り組みとなる。

  日本全体で年間約10万トンにのぼる家庭系廃食油は、そのほとんどが再利用されずに可燃ごみとして廃棄されている。廃食油は、バイオ燃料やインク溶剤などの原料として活用できることから、全国規模の回収とリサイクルにより脱炭素・循環型社会の実現に寄与する資源として期待されているという。

 実証実験で、ヨーカ堂は、ENEOSと廃食用油の回収やリサイクルを手がける吉川油脂と提携。お客が西日暮里店で注文した商品を受け取る際、ENEOSが提供する専用回収容器を置き配サービスで配布し廃食油を回収。吉川油脂でリサイクル処理された廃食油を石鹸やインク溶剤などに再利用する。

 ENEOSは、化石燃料由来の燃料に比べてCO2排出量を抑えることができる持続可能な航空燃料「SAF」の製造工場を2026年の稼働を計画中だ。ヨーカ堂では将来、この製造プラントに家庭系廃食油を原料の一部として供給することを目指す。