コロナ禍が収束に向かいつつあるフランスでは、マスク着用義務を含めたあらゆる行動制限がなくなり、コロナ前と同じ生活に戻ったが、消費行動はその限りではない。

 2020年、生活必需品の買い物以外の外出禁止(ロックダウン)下では、生産者による直売店が賑わった。感染の危険を冒してまで、大勢が出入りするスーパー(SM)に行くのを嫌い、地元の農産物を買う人たちが増えたのだ。筆者の知り合いの農家は、直売店が繁盛したため、販売員を一人増やしたほどだ。ところが、21年になると買い物客はほとんど来なくなった。農業者で国会議員のサンドリーヌ・ルフール氏も、「他の農家と共同で直売店を運営しているが、周りの直売店が閉店に追い込まれ、自分達の店も危なくなっている」と、2月末の農業見本市会場で語っていた。

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