ドイツで創業したスーパーマーケット(SM)のアルディは、ディスカウントSMという看板のもと世界18カ国に進出している。英国に上陸したのは1990年だが、当初は、商品全体の9割がPBという品揃えに、「外国のSMに来たみたい」と違和感を覚えるイギリス人が多く、しばらくは鳴かず飛ばずの状態が続いた。しかし、リーマンショックによる金融危機のあたりから価格の安さが注目されるようになる。さらに、イギリス人の嗜好に合わせたPBを大幅に増やしたことも奏功し、徐々にマーケットシェアを拡大。現在は先行する大手4社に追いつき、業界5位の座を占めるまでになっている。
昨年のクリスマス商戦でアルディは初めて10億ポンド(約1420億円)の売り上げを記録。クリスマスのセールスがピークに達するクリスマスイブまでの4週間の売り上げは、前年比7・9%増と大変な好調さを見せた。一方、SMの4強は、セインズベリーズが0.4%減で残りの3社が0.2-0.7%の微増。食品だけでなくリテール全体が「この10年間でもっともみじめなクリスマスセールス(BBCニュースのタイトル)」だったのとは対照的な結果だった。