衣料品の王者「ファストリ」に異変が生じる

 専門店は2022年も「衣」ではファーストリテイリング、「住」ではニトリの2強が抜きん出た強さを発揮しそうだ。だが2社の成長がやや鈍化する一方、「コロナ警戒」が続くなかで衣食住のうち、消費者の住への高い関心が継続。強い専門店は従来の枠組みから周辺領域へ勢力を拡大。複合業態として進化した質の高いサービスで勝負する機運が高まりそうだ。

 衣料では小売りの王者であるファーストリテイリングの地位は揺るぎそうもない。圧倒的な強さを見せる。ただ22年8月期の売上高は2兆2000億円(前年同期比3%増)、営業利益は2700億円(同8%増)。営業利益では3期ぶりに過去最高を見込むものの、アジアを中心とした高成長を掲げる同社にしてはさほどではない。それもそのはず、国内ユニクロ事業の売上高予想は減収減益予想で、既存店は前期比11%減の計画。21年3月に4月導入の「消費税込み総額表示」に合わせ約9%値下げしたが、巣ごもり消費が一巡するなか、売り上げが伸び悩んでいる。

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