提携スーパーに直売所を設ける独自の流通システムで産直野菜を販売する農業総合研究所(農総研)は11月25日、富山市公設卸売市場の卸売会社である富山中央青果と12月に資本業務提携を締結すると発表した。

 農総研が富山中央青果の筆頭株主(株式取得後の持株比率33.4%)となることで、両社の仕入先・販売先や人材などの経営資源の結びつきを強化。富山県の青果卸売市場を活性化し、両社の売り上げと利益の向上を図ることが狙い。産直流通の上場企業が公設卸売市場の卸会社と資本提携を結ぶのは、今回が初の事例となる。

 両社は2020年9月に業務提携を締結。産出額が47都道府県で最も低い富山県産の野菜や果物の魅力を広め、流通量を増やすべく、農産物のブランド化や販路開拓に取り組んできた。

 本資本提携により、両社のアセット活用をさらに深める。具体的には、首都圏及び大都市圏のスーパーへ販路を持つ農総研の販売力と、JA及び産地との強い連携を持つ富山中央青果の仕入力を掛け合わせる。そのほか、加工機能や物流機能、情報の受発信や決済の効率化を図ることで柔軟な品揃えと流通在庫の削減、さらには業務のDX化を推進。農総研の強みであるブランディング力、マーケティング力で農産物に新たな価値を付与する取り組みも進める。