酒専門店のカクヤスが宅配事業の強化でアクセルを踏み込んでいる。
同社の宅配サービスは、東京23区と神奈川、大阪の主要部において、「なんでも酒やカクヤス」の店舗在庫を、注文から最短1時間枠で、ビール1本から、365日、どこでも無料配送するのが特徴だ。今年6月には配達領域を東京西部、千葉県市川市にも拡大している。
11月18日からスタートしたのが、店舗に在庫がないセンター取り寄せ商品の最短翌日配送だ。午前0~11時までに注文すれば、最短で翌日の正午以降に配送する。これまで取り寄せサービスは3日間を要していたが、期間を短縮した。
現在、カクヤスの即日配送が可能な商品は酒や食品など600アイテムだが、今回の取り組みにより、ペット用品、 サプリメント、栄養ドリンクなどが加わることで、最短翌日配送商品は約1000点アイテムになる。年内にはこれを約2000アイテムまで増やす計画だ。
合わせて配送力も強化する。出荷拠点となる店舗の新規出店とともに、特に都心部では家庭向けの宅配枠の最大化と業務用が復調した際の備えとして、柔軟な物流体制の構築を目指す。
カクヤスはもともと居酒屋やレストランなどへの業務用売り上げが全体の7割を占めていたが、コロナ禍により業務用が大きく苦戦。一方で家庭用の伸びが著しいことから、 BtoCの強化に舵を切っている。今年5月には伊藤忠食品、三菱食品の2社と資本提携を結び、家庭用向けの商品供給、取り扱い商品拡大、物流機能の拡充に努めている。