イオンモールは10月22日、同社で初めてサステナビリティー・リンク・ボンド(SLB)を11月に発行すると発表した。SLBとは、あらかじめ定められたサステナビリティー目標を達成するか否かによって条件が変化する債券のこと。発行額は200億円で、発行条件を決定する発行体の経営戦略に基づく目標(SPT)に「2025年度末における国内の全イオンモールで使用する電力のCO2フリー化」を掲げる。25年度末の判定時にSPTの未達が確認された場合、26年10月末までにSLB発行額の0.2%相当額を寄付する。寄付先の候補はSPT未達成の要因を精査の上、ESG委員会で適切な候補を選定し取締役会が最終決定する予定だ。現時点の候補として、イオン環境財団を想定している。

 調達資金は必ずしも特定の資金使途に限定されず、発行体があらかじめ定めた重要な評価指標(KPI)とSPTによって評価される。KPIに関して達成すべき目標数値としてSPTが設定され、KPIがSPTを達成したかどうかによって、債券の条件が変化する。これが、発行体にとってはSPT達成に向けた動機付けとなる。 

 イオンモールは、40年を目途に国内店舗で排出するCO2などを総量でゼロにすることを目指している。これまで、空調運転の合理化、高効率および省エネ機器の導入、店舗屋上などの太陽光システム設置、LED照明の導入などにより、10年度対比で20年度エネルギー使用量50%削減という目標に対し、55.1%削減(床面積原単位)を達成している。引き続きこれらの削減策に加え、新たにオフサイトでの再エネ発電からの調達、各地域での再エネ直接契約の推進などにより、新たな目標として25年度に国内全てのイオンモールを実質的にCO2フリー電力で運営することを設定。CO2発生源の大部分が電気使用であることから、国内のCO2総排出量は13年度対比で25年度は80%の削減となる。

(写真は国内大規模商業施設初電気・ガスCO2排出量実質ゼロモールとなったイオンモール川口)